昔の常識をやめると、守りはむしろ強くなります

セキュリティの推奨は時代とともに変わります。昔のルールを頑張って守り続けることが、いまは弱点になっている場合すらあります。「やらなくていいこと」を知ると、負担が減って、大事なことに力を使えます。

昔の常識 → いまの正解

「パスワードは定期的に変更する」→ 定期変更は不要です

定期変更を義務にすると、人は覚えやすい弱いパスワードや規則的な変え方(末尾の数字を増やすなど)に流れます。いまの正解は「漏えいが分かったときにすぐ変える」。普段は固有の長いパスワードをパスワードマネージャーに任せます。

「記号を混ぜた複雑なパスワードにする」→ 複雑さより長さと固有性です

短くて複雑なものより、長い(12文字以上)ほうが強く、そして何より「他で使い回していない」ことが重要です。自動生成に任せれば両方満たせます。

「パスワードは紙に書かない」→ 条件付きで書いてもかまいません

漏えいの主な経路はネット越しの攻撃で、家の引き出しの紙ではありません。マスターパスワードの控えを家の安全な場所に置くのは合理的です。持ち歩かないことだけ守ってください。

「パスワードは頭で覚える」→ 覚えるのをやめるのが標準です

パスワードマネージャーに生成と記憶を任せます。人間が覚えるのは、それを守る一つ分だけです。

「SMSで届くコードの二段階認証で万全」→ いまの最優先はパスキーです

SMS方式は、コードの聞き出しや電話番号の乗っ取りに弱いことが分かってきました。パスキー、次に認証アプリが現在の順位です。SMSしかないサービスでは、もちろん設定してください。

「秘密の質問には正直に答える」→ 本当の答えを入れてはいけません

母親の旧姓や出身校は、SNSなどから調べられます。パスワードマネージャーで生成したでたらめな文字列を答えとして登録し、保存しておくのが安全です。

「変な日本語のメールは詐欺」→ 文面ではもう見分けられません

AIが自然な文章を書く時代です。見分けず、公式アプリから確認するへ切り替えてください。

変わっていないこと

OSとアプリの更新、画面ロック、バックアップ。この基本は昔からいまも正解です(5分の点検)。